子供の頃はあまり気にならなかった自分の手足。物心つくとふわふわとした柔らかい毛が生えているのは不思議なものでした。
腕や脚の毛はとても細いものですが、たくさん生えているものです。
指で毛を引っ張ってみると、皮膚が引っ張られて三角形に毛の根元が持ち上げられます。毛の根元は痛みを訴えてくるので指を離しては、また毛をつまんでいました。
一本づつ腕や脚の毛をつまむと「ぶち」っと切れたり、「ピッ」と抜けていました。そんな風に自分の毛で遊んでいると「この毛が無かったらすっきりするのかもしれないなぁ」と思ったものです。
腕もそうですが膝の毛も気になっていました。ショート丈のパンツをはくとどうしても膝小僧が見えます。うっすらと生えた毛がとても嫌でした。
自分の身体でも嫌悪感を抱く部分はあると思います。コンプレックスといったほうが分かりやすいと思います。
成長するにつれ濃くなる体毛を気にする子供はあまりいないものなのかと思っていましたがそうではありません。他の子が同じように悩んでいるのかは知りませんでしたが、どこかしら悩んでいたかもしれませんね。
小学校も高学年になると自分の腕の毛や脚の毛が気になるものです。気にしないでいられるのは本当に小学生の中学年のころまでなのです。
中学生になったらまた成長の過程で悩むことが出てきます。
今度は腕や脚の毛だけではなく、両わきの眠っていた毛母細胞が活発になりやがて毛が生えてくるのですから。
毛が生えてくるようになると、毛抜きで抜いたり、カミソリで剃ったりとするのですが悩みは消えることがありませんでした。特に夏場は念入りに行っていました。
毛は抜いても剃っても次々と生えてきます。もうどうしようもないくらいでした。
その後はワックスなども試してみましたが、痛いだけです。
ワックスの脱毛は慣れてしまえば一回目に感じた強烈な痛みはありません。でも痛いものは痛いのです。
(この痛みを伴う作業が一回くらいで亡くなったらいいのに。すっと肌に当てたら毛が根元から抜けるようなものがあったら良いなぁ。)
そんなことを終始考えるようになったのです。
腕の毛が濃いことを気にしていたけれど、体中の毛が気になっていくのです。
これは服を着ていれば見えるとか、見えないとかの問題ではありません。肌触りが何だかざわっとして嫌なのです。
そんな気持ちをずっと抱えていたら、他のことに集中するのなんて無理な話です。濃い毛のほうが気になっていたのですから。
気が付けば体毛は「ムダ毛」といつしか呼ばれるようになり、全身のお手入れをするのが当たり前というようになってきました。
全員が全員そう!というわけではありませんが自分だけの悩みじゃなかったんだと思ったものです。また、体毛が少なくきれいな肌になるというのは嬉しいことでした。